何かを追いかける

いつものホームでいつものドアに並ぶ白線を目指します。
タラタラと歩いていると、
私の足元をスーッとペットボトルのキャップが追い抜いて行く。
そしてすぐその後をおじさんが
バッタでも捕まえるかのように身をかがめ、
転がるキャップを追いかけてます。
軽快なキャップにおじさんは追いつくはずもなく、
キレイに弧を描きながら
キャップはホームの下に落ちるのでした。

おじさんだけが時を止め、
我に返るように腰を持ち上げる。
周囲の目に気づいたはにかんだ笑顔と
手には開けたばかりのペットボトルのお茶。

さぁ、おじさんの1日は始まります!




syoseki_baner
irasuto
senba_baner