Categoryおじさん

数ミリ単位の微調整

スマホをカガミ代わりに
ヤングなニイちゃんは、
前髪のわずかなカールも気になるようで
毛先をつまんでは撫で、そしてつまんでは撫で、
病的なヘアスタイルのチェックに余念がありません。

かく言う私も
スマホをカガミに、
薄毛のすき間から露出する地肌をなんとか隠そうと、
絶対量の毛を手品師のように分散させ、
不可能へのチャレンジは続きます。

ニイちゃんよ。
キミも30〜40年後は
今とは違う目的で
スマホを凝視していることだろう。



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組戻しリターンズ

見も知らずの人に
間違えて振り込んでしまったお金。
56,000円。
誰にこの話をしても

「戻るわけないでしょ!」
「バ
「そんな人がこの世にいるんですね」
「俺にも一万でいいから振り込んでよ」
「いいこずかいになっちゃったね」
などなど言われるたびにまた落ち込み。
慰められればそれはそれで
また落ち込む
どうにもならない自分はほんと情けない。

家族への目線も合わせずらくなり、
家での話し相手は
ネコとマクラだけになってしまった私。
もう当然のようにお金はあきらめ、
時とともにあのチンコがサワ〜ってくる感覚も
薄れていくこの頃でした。

そしてそんな中、
振り込んで一ヶ月くらいして、
銀行のオネエさんより携帯に報告が入ります。
話ではこの間に銀行側から振り込み先の名義人に、
3度の電話と2度の書類郵送をしてくれたらしい。
しかし・・・
連絡は取れなかったとのこと・・・
私のかすかな希望は
恥ずかしさと自分への甘さを知るだけでした。

“組戻しも期間が決まっているらしく、
オネエさんは
「再度“組戻しの手続きをなさいますか?」
と聞くので、
私は100メートル上のワラをも見上げる思いで
「ぜひおねがいします〜」と
幽霊みたいな弱々しさで伝えます。
(お金が戻らなければ“組戻し”の手数料864円は返金されるのこと)

それからです。10日もたった頃でしょうか、
またオネエさんから連絡があり
「サカイ様と連絡が取れ、組戻しの了解を得ました」
えっ!! お金戻るってこと?
その言葉に私は宙を浮き、
頭の中ではスローモーションで咲いていく花々を
確かに見ていました。

そしてオネエさんは
花の中でヘラヘラ笑いだした私に、
「まだ確定ではなく、時間もかかると思いますが
しばらくのあいだ残高照会を続けてください」と
事務的な口調で宙に浮く私に引力を与えます。
それでもヘラヘラ顔だけはどうにも止まらず、
さぞかし周りの人は怖かったでしょう。

ということで後日
確かに56,000円は返却されたのです!
サカイ様、この場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございます。
銀行のオネエちゃんもご苦労様でした。
本当に助かった。

そして約束通りのお礼を
振り込ませていただきます。
もちろん“組戻し”は無しで。





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組戻し


ただただ落ち込んでます。
自分のミスだからどうしようもないんだけど。
自分がマヌケってことも昔から自覚してたけど。
にしても、あーっ!
56,000円!
この目もくらむような大金。

振込先を間違えて・・・
振り込んでしまった・・・
見も知らぬ人に。
56,000円。

ネットで買い物をして、
この日の午前中に
代金はネットバンキングを利用し、
スマホで指定口座に振込みます。
口座番号を打ち込むと
相手の口座名義が表示されますが、
本来の販売会社名でなく、
〝サカイ◯◯◯〟と個人名で出てきました。
「ん!なんで?」

ここで変だと気づいたんだから
もう一度口座番号を確かめればよかったんだよっ!
もーっ!バカだよな!

それでも打ちこんだ口座番号に間違いはないと思いこみ、
(元来見直すということをしない人間)
この名前で問題ないだろうと。
(名前が違うんだから当然問題だろ)

ペタッと振込ボタンを押しちゃった。

そしてその後は販売店から
振込確認のメールが届くはずなんだけれど、
夕方になってもなんの連絡もない。
おかしいな明日になるのかなと思いながら、
だんだんと妙に不安な気持ちが漂ってきます。
この背筋とチンコが同時にサワ〜ってくる感じ、
わかってもらえますでしょうか。
(女性の場合はチンコじゃありませんが)
「ちょっと待てよ!ちょっと待てよ!」と
頭の中で反復させながら、
あせり気味でスマホを握ると
ネットバンキングのアイコンをつつき、
先ほど振込んだ履歴内容を見にいきます。

え!?
数字を指で追い確かめると、
振り込んだ口座番号の数字が
ひとつ間違えてる。
や、やっちまった。

今度は背筋とチンコがサワ〜っとするのに加え、
なんでしょうか自分がだんだん
透明にでもなっていくようなこの気分。
しかしどんな気分になろうと、
もう私は〝サカイ◯◯◯〟に56,000円を振り込んでしまってる。
どうしたらいいんだ!

とにかくすぐに銀行に電話をし、
何とかならぬものかと白熱する私。
そして落ちつき払った銀行のオネエさんとの
やりとりが始まるのですが・・・

ああ、もうこれ以上書く気力も失せていく。
また透明になりそうだ。

簡単に説明しますと、このような場合、
銀行に〝組戻し〟と言う手続きをお願いするらしい。
〝組戻し〟なんて初めて聞く言葉だけど、
銀行が振り込まれた相手に連絡を取ってくれ、
事情を説明してくれるとのこと。
でも連絡が取れない人もいたり、
連絡が取れても相手の応諾が得られなければ
〝組戻し〟は成立しないと言うのだ。
あとはもう相手の良心にまかせる以外はない。
オネエちゃんは
勝手に振り込んだお前がボケジジィなんだからもう諦めろ」
と言うのを私はハッキリと読心し。
しかしどう思われようととにかく864円の手数料を払い、
その
組戻し〟と言う手続きに神頼みするしかないのです。

〝サカイ◯◯◯〟
頼むよ!お願いだ!
お金戻してくれたら
今度はお礼の10,000円を振り込むから。




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